遠い昔、私が小学5年生だった頃、春だっ
たか秋だったかきれいな青い空に雲が少し、
気持ちのよい午後、私は突然駆け出した。
右手におこずかいを握りしめて。スーパー
のチラシ広告でも見つけだのだろうか。。
次に思い出すシーンは、体の大きなくまのぬいぐるみばかりが山と積まれた売り場。そこに
は胸の鼓動が聞こえるくらい気持ちが高揚して頬が赤く染まった少女の姿。つまり私。そしてその山の中からひとつだけ、大切な大切な存在になるクマに出会うのです。帰り道、自分の
身長ほど大きなクマを抱きかかえ、夕日に染まった長い影。胸の鼓動は鳴り止まない。。遠い遠い思い出です。